ヘルスケアとサプリメントの関わりについて

サプリメントは効果がない。

そのような考え方の時代は、終わったのではないでしょうか。

病気に対して治療をするだけの医療は一昔前で終わり、現在は患者さんが主体となりヘルスケアを考える時代です。

その中で、サプリメントは重要なポジションにあると言えます。

先日「NPO法人・日本更年期と加齢のヘルスケア学会」にて、サプリメントのオンライン研修会がありましたので、そちらの内容をシェアさせていただきます。

今回の記事でのポイントは4つ

  • サプリメントがヘルスケアと、どのように関わるか
  • サプリメントを取り入れるとは、どういうことか
  • 代表的な評価の高い成分の紹介
  • 注目されている成分の紹介

アメリカでのサプリメント産業の事情や成分の評価などを通して、サプリメントがヘルスケアにどう関われるかを一緒に考えていけたら良いなと思います。

サプリメントには様々な成分がありますが、一番のベースとなるのはタンパク質です。色々とサプリメントを試す前に、まずはタンパク質が十分に摂れているか、振り返ってみてから試すようにしましょう。ちなみに、運動習慣のない人の場合、1日のタンパク質推奨摂取量は体重1kgあたり0.8〜1gです。

サプリメント市場が拡大した理由

2021年、アメリカでのサプリメント市場は約5兆円にまで広がってきており、規模は右肩上がりになっています。

さすがサプリメント先進国、といったところでしょうか

さらに、健康を売りにした製品(オーガニック食品やパーソナルケア商品など)を含めると、なんと30兆円にも市場規模が拡大しているそうです。

これは、個人が独自の判断で購入・使用しているだけではなく、医療専門家による処方も含めた規模です。

では、なぜアメリカではここまで健康製品の市場規模が拡大したのでしょうか?

新しい医療の考えに合っている

今までの医療は、何かの病気になってから対処していました。

しかし、専門家や患者さんの中で、医療の限界やコストの問題、公平性や効率など様々な不満が溜まっていきました。

そのような中、専門家や患者の考えに変化が生まれます。

それが、

  • ナラティブ・ベイスト・メディスン
  • 補完代替医療(鍼灸・ヨガなど、西洋医学を補ったり代わりとなるもの)の再評価
  • バイオ・サイコ・ソーシャルモデル

このような考え方の誕生です。

ナラティブ・ベイスト・メディスン、バイオ・サイコ・ソーシャルモデルについては後ほど説明します。

従来の医療と新しいヘルスケア

ここで、従来の医療と新しいヘルスケアについて、8つの観点から比べてみましょう。

新しい医療1

新しい医療2

従来の医療に比べ、新しいヘルスケアは患者さん個人に寄り添っていることがわかりますね。

このような観点は、ナラティブ・ベイスト・メディスンやバイオサイコソーシャルモデルといった考え方に繋がります。

ナラティブ・ベイスト・メディスン(NBM)とは

患者が語る「病気になった理由」、「経緯」、「症状」、「病気についてどのように考えているか」といった物語から、患者が抱える問題を全人的に(身体面だけでなく、精神や心理状態、社会的立場などを含むあらゆる要素から)把握し、治療方法を考える医療のこと。患者と医療従事者が対話を通じて良い関係性を作り、双方が満足の行く治療を行うことを目的としている。

NBMの考え方は、従来の医療が科学的根拠(エビデンス)に基づく診断・治療(EBM)を重視してきた結果、科学的根拠に基づいた医療を行っても、患者の満足度が上がらず、医療従事者もやりがいや達成感を感じづらかったというジレンマから起こった考え方である。

引用元:看護roo ナラティブ・ベイスト・メディスン

何かの病気になりました、では、このお薬を飲んでください。

このような感じで、ただ病気に対する治療をするだけでなく、その患者さんの気持ちや仕事などの背景を考えて、患者さんと一緒に治療方法を選んでいくというような考え方がナラティブ・ベイスト・メディスンです。

かつては、パターナリズム(医者の言いなり)が医療の考え方でした。

しかし、現在はインフォームド・コンセント(治療の同意)が原則になり、パターナリズムのような考え方はなくなりました。

バイオ・サイコ・ソーシャルモデル

バイオ・サイコ・ソーシャルモデルでは、患者やクライアントの置かれている困難な状況を把握するためには、厳密にはバイオ (bio)/サイコ(psycho)/ソーシャル(social)という3つの側面に分けてクライエントの状況や環境を把握する必要があるとする考え方。

このモデルでは、こうしたバイオ(bio)/サイコ(psycho)/ソーシャル(social)の要因がそれぞれに独立したものではなく、相互に関連し合い複合的に作用しあって困難な状況をもたらしていると捉え,この3つの側面からの問題解決を図ることが望ましいとする。

引用元:大分大学 バイオ・サイコ・ソーシャルモデル

  • バイオ=身体の状態
  • サイコ=心の状態
  • ソーシャル=環境の状態

医療専門家は、このような観点から患者さんを診ています。

例えば、肩こりを訴える方がいたとします。

筋肉が硬いという理由から筋肉を緩めておしまい、これでも良いかもしれません。

しかし、なぜその部分が硬くなってしまうのかということに目を向けると、肩こりでも色々なことが考えられます。

  • 食生活が悪い?
  • 姿勢が悪いから?
  • 忙しすぎる?
  • 嫌なことが重なった?
  • まさか心臓が悪い?

などなど、肩こりとはいえ、人それぞれ原因が違います。

身体だけを見るということは一昔前で終わり、現在はその方の取り巻く環境にも目を向けるようになりました。

ヘルスケアが当たり前の時代

悩み

ヘルスケアとは、簡単に言うと健康管理です。

しかしそれは、医療専門家に頼りっぱなしになるということではなく、自分で自分の健康を管理するということです。

ヘルスケアの普及により、医療というものが病院内だけでのものではなく、日常へと繋がってきています。

また、医療専門家といっても神様ではありません。

全ての知識を持っているとは限りませんし、サイエンスは日々進歩しているので、情報が最新ではない場合もあります。

そこで重要になるのが、自分の健康を自分で管理するというヘルスケアの能力です。

病気を治すための処方箋や治療も大切ですが、病気にならないための生活習慣やセルフケアといったことを、自分でも管理してみましょう。

  • 自分の置かれている環境下で、日常生活はどのようにしたら精神的に負担がなく、身体に良いか
  • 普段、どのような食生活を送り、どのような栄養が不足しているか
  • 流行りの簡単な健康情報に、すぐに飛びつかないリテラシーは持っているか

などなど、医療専門家だけでなく、一般の方も身体に関する知識を、当たり前のように収集する時代です。

そのサポートをするのが医療専門家、といったところでしょうか。

当然ですが、検査しなければ正確な栄養状態はわかりませんし、病気も休んでいれば治せるものもあれば、治せないものもあります。

しかし、全くの無知で受動的なままでは、予防できる可能性を消してしまっているかもしれません。

そうならないためにも、自分でもある程度の情報収集は必要になります。

ヘルスケアを考えるきっかけの1つとなるのが、サプリメントです。

サプリメントだけでは十分な健康増進にはならないし、薬ほどの効き目もありません。

また、効果出現には基本的には時間がかかります。

しかし、しっかりと評価のあるものもありますし、セルフケアを考えるきっかけとなるため、サプリメントを取り入れる価値はあると言えます。

評価の高いサプリメント成分

取り入れるといっても、何でもかんでもというわけにはいきません。

本来なら検査をし、自分に不足している栄養素をサプリメントで補うのが一番ですが、自分の食生活や環境を振り返ってみて、評価の高いサプリメント成分の中から選んでみるというのも良いでしょう。

というわけで、評価が高い成分をご紹介していきます。

オメガ3

アボカドやアマニ油などに含まれるα-リノレン酸、魚油に含まれるDHA・ EPAなどを総称してオメガ3(n-3系不飽和脂肪酸)と言います。

血液の流れを良くしたり、コレステロールを下げたり、循環器系に特に良いとされていて、心臓疾患による死亡率を低下させるとの報告もあるようです。

血液凝固に関わる薬を服用している場合、担当医に相談してからサプリメントを試しましょう。

オメガ3

ビタミンB群

ビタミンB群とは

  • ビタミンB1(糖質の代謝に関わる)
  • ビタミンB2(エネルギー代謝に関わる)
  • ビタミンB6(タンパク質代謝に関わる)
  • ビタミンB12(血を作るのに関わる)
  • 葉酸(血を作るのに関わる)
  • ナイアシン(エネルギー代謝に関わる)
  • パントテン酸(エネルギー代謝に関わる)
  • ビオチン(糖質、資質の代謝に関わる)

この8種類の総称です。

結構、多いですね・・

皮膚を健康に保ったり赤血球を作ったりする働きもありますが、ビタミンB群は主に糖質・脂質・タンパク質の代謝の補酵素として、重要な働きをしています。

最近はタンパク質をしっかり摂取することが推奨されていますが、同時にビタミンB群も摂取していきたいところです。

ビタミンB群

ビタミンC

ビタミンC(アスコルビン酸)のサプリメントを飲んでいる方は、多いのではないでしょうか。

抗酸化作用として有名なビタミンCですが、コラーゲンの合成にも深く関わっていて、血管や皮膚などを健康に保つために欠かせない成分です。

水溶性ビタミンのため、多く摂取した場合でも体外に排出されますが、大量に摂ると下痢を起こす可能性もあるため注意が必要です。

とはいえ、朝・昼・晩、それぞれ1グラムずつサプリメントで摂取しても良いかと思います。

ちなみに僕は、1日に4グラムのビタミンCをサプリメントで摂取しています。

ビタミンC

クルクミン

ウコンで有名なクルクミン。

胆汁の分泌を促進したり肝臓機能を助けたり、解毒作用として有名ですが、血圧を下げたり炎症を抑えたりする働きもあるようです。

注意点としては、ウコンは鉄分が豊富なため、過剰摂取には注意が必要です。

肝臓に障害のある方や、胃に不安がある方は避けたほうが良いでしょう。

基本的には過剰摂取の心配はないようですが、評価が高いとはいえオメガ3・ビタミンB群・ビタミンCのように気軽に飲める成分ではなさそうです。

個人的には、飲まなくても良いのでは?なんて思ってます。

クルクミン

評価が高まってきているサプリメント成分

ここからは、最近になって評価が高まってきている成分をご紹介します。

オススメしたい成分もたくさんあり、効果が実感できるものが多いかと思います。

ビタミンD

紫外線に当たることで身体の中で作られるのが、ビタミンD。

しかし、紫外線を浴びることによるデメリットが大きく、紫外線を浴びる機会が少ないため不足している方が多いようです。

ビタミンDはカルシウムやリンの吸収に関わっていて、骨や歯の健康維持に大切な成分です。

食べ物から摂取したビタミンDは腸で吸収された後、肝臓と腎臓を経由して活性型ビタミンDとなり、カルシウムとリンの吸収を助け、血中カルシウム濃度を高めます。

つまり、カルシウムだけを頑張って摂取しても、ビタミンDが不足していると吸収効率が悪くなり、せっかくの骨の材料を無駄にしてしまうことになります。

また、ビタミンDは加齢によっても減少するため、積極的に補給したい成分です。

最近では免疫にも関わっているとの報告もあり、あらゆる病気に対してリスクを軽減させる成分として注目されています。

ただ、ビタミンDは脂溶性ビタミンのため、身体に蓄積する可能性があり、過剰摂取には注意が必要です。

ビタミンDの安全な上限は、幼児であれば1日当たり1,000~1,500 IU、1~8歳の小児であれば1日当たり2,500~3,000 IU、9歳以上の小児、成人、妊娠中あるいは授乳中の女性(十代女性を含む)であれば1日当たり4,000 IUです。

引用元:eJIM「ビタミンD」

本来なら、血中のビタミンD濃度を測定してからサプリメントを試すのが良いのですが、クリニックに行かなければ測定できないため、測定せずに試す場合も多いかと思います。

その場合、もしもビタミンDサプリメントを飲んで吐き気や食欲不振、心拍異常などの悪い身体の変化がみられたら中止しましょう。

血中濃度を測らずに試す場合は、含有量の少ないサプリメントから初めてみてください。

ビタミンD

メラトニン

メラトニンといえば、睡眠に関わるホルモンとして有名ですよね。

脳の松果体というところから分泌され、睡眠を促すホルモンと言われています。

人間を含む生き物は、サーカディアンリズムという体内時計を持ち合わせています。

このサーカディアンリズムは太陽の光と関係していて、日中は活動するために体温や血圧が高くなり、逆に日が沈んで夜になると低くなるようにできています。

このような変化を調節するのが、メラトニンです。

睡眠で有名なメラトニンですが、最近では睡眠以外にも様々な点で注目されています。

胸腺を刺激し、T細胞に働きかけて免疫能を活性化させたり、悪玉コレステロールを低下させたり、抗うつ作用なんかの報告もあるようです。

また、抗酸化作用にも注目が集まっています。

どうやらメラトニンは、細胞内のミトコンドリアに入り、活性酸素除去をサポートしているようなのです。

その抗酸化作用はビタミンEの2倍とも言われ、睡眠以外でも大活躍のホルモンです。

ビタミンEとビタミンCは、両方とも活性酸素から身体を守ってくれる成分です。ビタミンEが頑張りすぎて疲れたとき、ビタミンCがビタミンEを復活させる、そんなようなイメージです。

メラトニンのサプリメントは日本では販売されていないため、試す場合はアイハーブなどで購入しましょう。

僕も試してみましたが、夜中に目が覚めなくなりました。

メラトニン

マグネシウム

マグネシウムは、カルシウムやリンと一緒に骨を作る大切な成分です。

筋肉を動かすときも、カルシウムとお互いのバランスを取りながら作用しています。

また、体内でたくさんの酵素の働きに関わっていて、タンパク質の合成や神経伝達、血圧を正常に保つなど生きていく上で欠かせないミネラルです。

不足している人が多いためサプリメントで補給したいところですが、過剰に摂取すると血圧低下や筋力低下、下痢などを起こす可能性もあるため、1日の容量は守って摂取しましょう。

マグネシウム

亜鉛

亜鉛は、味覚や生殖機能を正常に保つために欠かせないミネラルです。

それだけでなく、新しい細胞を作る酵素の構成成分として大切な役割も担っています。

他にも、お肌の状態を整えたり解毒作用があったり、実は我々の身体の中で様々な働きをしてくれているミネラルです。

また、脳の大脳皮質や海馬、扁桃体などにも存在していて、精神の安定にも関係しています。

ただし、過剰に摂取すると頭痛や嘔吐などの急性中毒を起こす場合があるため、注意が必要です。

亜鉛

評価が下がっているサプリメント成分

研究が進むにつれて、評価が下がってきている成分もあります。

  • イチョウ葉(記憶力の維持)
  • グルコサミン・コンドロイチン(関節の痛み緩和)
  • βグルカン(免疫の活性)
  • ジンジャー・ガーリック・エキナセア(免疫の活性)
  • マルチビタミン
  • マルチミネラル

マルチビタミンとマルチミネラルはおそらく、不足しているものを個別で摂取したほうが効率が良いからだと思います。

グルコサミンは、少し前まではCMがよく流れていましたが、最近は見なくなりましたね。

急成長しているサプリメント成分

近年、注目を集めているサプリメント成分が、CBDとコラーゲンです。

市場の期待値も大きく、今後の研究結果が楽しみですね。

そんなCBDとコラーゲンについて、今回のオンライン研修会で紹介された作用について紹介します。

CBD(カンナビジオール)

CBD(カンナビジオール)というのは、麻の成分です。

麻というと、幻覚作用のあるものを想像しがちですが、CBDには幻覚作用はありません。

ちなみに、幻覚作用のある麻製品の呼び方を「カンナビス」、健康目的の使われ方をする麻を「ヘンプ」と呼び分けているそうです。

幻覚作用のある麻の成分はTHC(テトラヒドロカンナビノール)と言い、日本で販売されているCBD製品にはTHCが含まれていないものが販売されています。

大麻取締法があるため、現在はアメリカ製のCBD製品を日本で販売してはいけないとのことです。

調べてみたところ、エリクシノールという会社から販売されているCBD製品に、微量のTHCが検出されたそうです。このようなケースはほとんどないとは思いますが、まれにTHCが含まれている製品があるようです。
参考元:厚生労働省 大麻成分THCを含有する製品について

さて、CBDという成分なのですが、人間はもともと内因性カンナビノイドという、麻に似ている脳内物質を持っているそうです。

内因性カンナビノイドは、身体の細胞同士が調整し合い、神経・精神・免疫・循環・代謝など幅広く関与しています。

CBDを使用し、この内因性カンナビノイドに作用することで様々な効果が期待できます。

CBDの有効性

麻は、古くから人々に使われてきた植物です。

どのように麻が使われるようになっていくか、期待の大きい成分です。

コラーゲン

今更コラーゲン?と思うのではないでしょうか。

コラーゲンは分子が大きく、そもそも吸収されるわけがないというのが今までの考えでした。

しかし、現在は「非変性2型コラーゲン」と「加水分解コラーゲン」という2つのコラーゲンがあり、それぞれ身体に作用することが認められています。

非変性2型コラーゲンは、分子が大きいコラーゲンです。

分子が大きいため血中には吸収されませんが、小腸にあるパイエル板という免疫器官に作用し、免疫寛容を誘導します。

その結果、自己免疫系の関節炎を改善する効果があるようです。

免疫寛容とは、自分の細胞や摂取した栄養など、自分にとって必要なものには反応せず、有害な物にだけ免疫が働く機能です。免疫寛容に異常が起こると、リウマチなどの自己免疫疾患が起こります。

もう1つの加水分解コラーゲンは、分子が小さいコラーゲンになります。

分子が小さく吸収することができるため、組織に入って肌などのコラーゲン構造に作用し、皮膚のシワや肌理の細かさなどの改善が期待できます。

また、傷の治りを早くする働きもあるようです。

このように、コラーゲンも進化しています。

日本のサプリメント産業

アメリカのサプリメント市場は成長していることがわかりました。

では、日本のサプリメント産業はどうなのでしょうか。

アメリカを模倣した結果

アメリカで流行っているから日本でも流行るだろうというところから、がん患者を対象として一時期、アガリクスが注目されました。

アガリクスはかなりの利益をあげることができたため、サプリメントは儲かるという認識が広がり、営利優先の企業が続々と参入することになります。

その結果、健康市場はいかに人々に信じ込ませるかが重要視される、倫理観が欠けた市場になってしまったそうです。

現在でもネットやSNSで検索すると、怪しい健康情報がたくさんありますよね。

サプリメントに対して中途半端な国

オンライン研修会では日本はチェックが緩いと言われていましたが、国立研究開発法人のサイト「健康食品の安全性・有効性情報」で情報発信を頑張っていると、個人的には思います。

とはいえ、まだまだサプリメントや健康情報への規制は甘く、国として普及させたいのか疑問が残ります。

アメリカでは医療者がサプリメントを処方しますが、日本でサプリメントを処方している医療者が少なく、軽視している方が多いのが現状です。

個人で科学的な根拠を探すのは大変ですし、雰囲気でサプリメントを使用しています。

これが怪しいサプリメントや健康情報が、いまだに多くみられる原因の1つなのではないでしょうか。

健康食品市場は横ばい

新型コロナウイルスの影響で健康への関心が高まっているため、現在はやや好調となっているようですが、日本の健康食品市場は停滞しています。

参考元:矢野経済研究所 健康食品市場に関する調査を実施(2021年)

これはまだまだ予防への関心が薄く、医師も患者も専門家に任せてしまっているからだと言われています。

もしかすると、リゲインのCM「24時間戦えますか」気質が少し残っているのかもしれませんね。

「病は気から」という言葉もありますが、気合いで病気は予防できません。

サプリメントを使用する上で知っておくべきこと

オンライン研修会では、サプリメントを使用する上での注意点として、以下のようなことが言われていました。

とても大切なので、紹介していきたいと思います。

サプリメントの落とし穴

栄養保険サプリメント

食事の補助的な役割で、健康維持が目的のもの。

これには一定の科学的根拠があり、安全性は高いとされています。

比較的、幅広い人に対応するサプリメントです。

ビタミンCやオメガ3など。

症状対応サプリメント

特定の症状に対応したもので、薬のような効果を期待してしまうもの。

科学的根拠にはバラつきがあり、使用するには専門家への相談が必要。

セントジョンズワートやグルコサミンなど。

抗加齢サプリメント

その名の通りです。

科学的根拠はまだ不十分なものが多く、逆効果になる場合もあるため過剰摂取は禁物。

NMNやイソフラボンなど。

ダイエットサプリメント

その名の通りです。

人が興味を持ちそうな広告のものに多く、根拠は薄く、安全性も不明。

痩せるには、日々の食事の見直しと、運動が良いでしょう。

おわりに

今回はサプリメントについてのオンライン研修会の内容を、少しだけ補足を加えながらシェアさせていただきました。

そもそもですが、サプリメントはあくまでも食事の補助です。

サプリメントを使う前にまず行うことは、日々の食事の見直しです。

とは言っても、パーフェクトな食事は不可能なので、自分の食事内容・生活習慣・身体の状態を振り返った上でサプリメントを検討しましょう。

そして、サプリメントをきっかけに、健康について調べてみてください。

上手なマーケティング手法が使われている怪しいものが紛れている可能性もあります。

しかし、調べる癖をつけていれば回避できます。

情報過多で大変な世の中ですが、自分の身体をより良く快適に生活するためにも、一緒に知識を増やしていきましょう。

最後に、今回は「日本更年期と加齢のヘルスケア学会」で開催されているオンライン研修会の中から、安西英雄先生の講義を紹介させていただきました。

また、オンライン研修会はメノポーズ(更年期)カウンセラー取得のための認定得点にもなります。

メノポーズカウンセラーは医療従事者でなくとも取得できるため、興味のある方は覗いてみてください。

日本更年期と加齢のヘルスケア学会

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