注意が必要な肩こりとは

今回は病気が原因となる、注意が必要な肩こりについてです。

肩こりは今やほとんどの人が訴えている症状です。

有訴者率の上位5症状

女性

  1. 肩こり
  2. 腰痛
  3. 手足の関節が痛む
  4. 身体がだるい
  5. 頭痛

男性

  1. 腰痛
  2. 肩こり
  3. せきやたんが出る
  4. 鼻がつまる・鼻汁が出る
  5. 手足の関節が痛む

引用元:厚生労働省 平成28年国民生活基礎調査の概況

国民生活基礎調査を見てもわかるように、女性も男性も肩こりと腰痛が身体に対する主な悩みとなっているようです。

一般的な肩こりは病気が原因ではない肩こりですが、中には病気が隠れている場合もあるので注意が必要です。

たかが肩こり、されど肩こりです。

本態性肩こりの原因について

肩こりには何か疾患が原因となっている「症候性肩こり」と、原因がハッキリしない「本態性肩こり」があるのですが、まずは本態性肩こりからみていきましょう。

肩こりとは、項頸部から僧帽筋エリアの諸筋に生じる主観的に詰まったような、こわばった感じや不快感・こり感・重苦しさや痛みにいたる症候の総称である。

引用元:肩こり Wikipedia

なぜ肩こりは起こるのでしょうか?

頭と腕の重さを確認しておきましょう。

頭と腕の重さ

実は、頭と腕って結構重いんです。

その重い頭や腕を、首や肩で支えているわけです。

そのため、どうしても肩はこりやすい場所となっています。

解剖学的な理想の姿勢とは

デスクワークの人に限らず、スマホを見るなどで姿勢が崩れやすい環境がとても多く存在します。

頭部や骨盤など体節(身体の節構造の一つ一つ)の並びのことをアライメントと言うのですが、このアライメントが崩れることで肩こりなどの症状が起こりやすくなります。

では、解剖学的な理想の姿勢とは一体どういう姿勢なのでしょうか。

それは、立っている状態で背面と横から見て、アライメントがキレイに整列している状態のことを言います。

ポイントとなる部分にしっかり重心線が通っているかどうかで確認できます。

背面の重心線

側面の重心線

これが解剖学的に理想とされる姿勢です。

このようなアライメントだと姿勢を保持するための筋肉に無理に負担をかけず、コリが発生しにくいとされています。

大切なのは、身体全体に目を向けることです。

肩こりだからといって、肩だけに目を向けていては根本的な改善にはつながりません。

デスクワーク時の悪い姿勢とは

悪い姿勢とは、猫背などで理想的なアライメントが崩れてしまっている状態です。

特に座っている姿勢は崩れやすいですよね。

よくある姿勢がこんな感じ

このような座り方をしている方が多いのではないでしょうか。

パソコン作業時の良い姿勢とは

ではパソコン作業時で身体に負担をかけにくい姿勢とは、どのような姿勢なのでしょうか。

デスクワークの良い姿勢

ノート作業時の良い姿勢

ソファでの良い姿勢

理学療法士の澤渡先生(@t_sawatari)の画像をお借りしました。

「椅子に浅く座りましょう」と言われたりしますが、実はちゃんと背もたれを使ってあげた方が、身体への負担が少なく作業ができます。

とはいえ、やはり長時間のパソコン作業は疲れますので、こまめに立ち上がって少し身体を動かすようにしましょう。

本態性肩こりは筋肉のバランスの崩れが原因

本態性肩こりの多くは日常生活の癖・座り方・立ち方・怪我の有無などによって筋肉のバランスが崩れ姿勢が悪くなり、肩こりなどの症状が起こります。

理想的な姿勢だと筋肉はバランスよく活動し姿勢を保ちますが、悪い姿勢だとそのバランスが崩れどこかに不快な症状となって現れます。

また、その不快な症状から身体をかばうためにさらに悪い姿勢になってしまい、肩こりなどがさらに悪化する、なんていう悪循環も起こってしまいます。

精神的緊張によるもの

緊張状態が続くと、筋肉がこわばることはイメージがつくと思います。

そして、意外と多いのが歯を食いしばる噛み癖がある人です。

噛み癖があるとアゴの筋肉だけでなく、首の前側の筋肉(胸鎖乳突筋)も張ってきてしまいます。

食いしばるまではいかなくても、歯と歯が閉じてしまっている状態でも同じです。

特に仕事などで緊張状態が長く続いている人に、アゴの筋肉や胸鎖乳突筋が張っている人が多くみられます。

通常、リラックスした状態だと歯と歯はくっついていません。

また、左右の噛み合わせのバランスの偏りによって肩こりや腰痛の原因になることもあるそうです。

参考元:長坂歯科 頭痛・肩こり・腰痛

僕自身も、パソコンで作業をしているときなど集中しているときに、上下の歯を接触する癖があることに気づきました。

首の前側が張っているのは、知らないうちに食いしばっていたからなんですね。

注意したい症候生肩こりとは

多くの肩こりは悪い姿勢や筋肉の過緊張による本態性肩こりですが、気をつけなければいけない肩こりというものもあります。

何かの疾患が原因となっている、症候性肩こりです。

病院へ行くべき症状

このようなときは鍼灸やマッサージを受ける前に、まずは病院でみてもらいましょう。

では、症候性肩こりは主にどのようなものがあるのでしょうか。

椎間板ヘルニア

ヘルニアというのは、組織や臓器が本来あるべき場所からはみ出した状態のことを言います。

椎間板ヘルニアというのはその名の通り、背骨の骨と骨の間にある椎間板が本来あるべき場所から、はみ出してしまっている状態です。

背骨(脊椎)は1つの骨で構成されているのではなく、椎骨といってブロック状の骨が1つずつ連なって構成されています。椎骨の数は24個(頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個)、これに5個の仙椎がくっついてできた仙骨、3〜5個の尾椎がくっついてできた尾骨で構成されています。

1つずつが連なってできているため、骨と骨が直にくっついていると衝撃を吸収したり動いたりしたときに不都合が生じてしまいます。

しかし身体というのはうまくできているもので、骨と骨の間にクッションの役割をする軟骨が存在します。

それが椎間板です。

椎間板ヘルニアは椎間板がはみ出している場所によって症状が出るところが変わりますが、骨の中を通っている神経が圧迫されて主に手が痛くなったり、しびれが出たり、力が入りにくいなどの症状が現れます。

保存的療法(手術をしない治療法)が多いのですが、症状が強い場合は手術をする場合もあります。

頸椎症

椎間板ヘルニアでは骨と骨の間にあるクッション(椎間板)がはみ出して、神経を圧迫していました。

それと良く似た疾患で、頚椎症というものがあります。

椎間板ヘルニアとの違いは、頚椎症は椎間板のはみ出しではなく、骨や椎間板が加齢により変形してしまい神経を圧迫する疾患です。

こちらも基本的には保存的療法ですが、生活に支障が出るくらい症状が強い場合は手術をすることがあります。

五十肩

一般的によく使われている四十肩・五十肩というのは、正確には肩関節周囲炎と言います。

肩の前の方だったり後ろの方だったり、腕が痛くなることもあります。

肩関節周囲炎は主に炎症期・拘縮期・回復期の3つの期間があり、痛みは徐々に無くなっていきますが、そのまま放置すると関節が硬くなってしまい日常生活でも支障をきたすことがあります。

原因はハッキリとわかっていませんが、デスクワークなどで肩の関節をあまり動かさない人に多い印象です。

もしもなってしまった場合は放置せず、しっかりと治療を受けましょう。

胸郭出口症候群

胸郭出口というのは、首から胸の間にある隙間のことです。

この隙間には神経や血管が通っているのですが、なで肩や筋肉によって圧迫されるとしびれが出たり、力が入りにくくなったりといった症状が現れます。

なぜ圧迫されているのか、その原因によって治療が変わってきますが、運動で肩の筋肉を鍛えたり鍼などで筋肉を緩める治療をします。

また、まれに頚肋(けいろく)といって首の下の方の骨が肋骨のように少し出ている人がいます。

大きさについては個人差があり症状がない場合もありますが、しびれなどの症状があれば胸郭出口症候群の原因の1つと言われています。

内臓からの関連痛

本態性肩こりも含めここまで紹介してきたものは主に筋肉や骨による症状でしたが、内臓からも関連痛として肩に痛みが現れることがあります。

関連痛と放散痛

内臓からの肩への関連痛として有名なのは

  • 狭心症や心筋梗塞(左肩が痛む)
  • 胆石(右肩が痛む)
  • 肺がんのパンコースト症候群

パンコースト症候群というのは、肺の先っぽ(肺尖部)にできる腫瘍が神経を圧迫することによって腕や肩に痛みが現れたり、むくみが出たりすることを言います。

このような内臓の関連痛の場合、マッサージでは良くなりません。

大抵の場合は筋肉や骨が原因となるのですが、このような肩こりも存在するので頭に入れておきましょう。

肩こりの原因は様々

今まで見てきた通り、肩こりといっても様々な原因があります。

本態性肩こりも見逃せないのですが、特に注意したいのが症候性肩こりです。

ヘルニアや胸郭出口など、骨や筋肉が原因となる症候性肩こりは命に関わるような緊急性はありませんが、狭心症など内臓からの関連痛で起こる、命に関わるような症候性肩こりがあることは覚えておく必要があります。

ただ、ほとんどの場合は鍼灸やマッサージなどで血流の循環がよくなれば改善が期待できる、本態性肩こりです。

しかし、思わぬ病気が潜んでいるかもしれないということを忘れないでください。

おわりに

  • 階段を上るなど運動したときに肩が痛む
  • 手がしびれたり力が入らない
  • 動かしていないのに痛む
  • 症状がひどくなっている

このような症状がある場合は、まずは病院でみてもらいましょう。

今回紹介したこと以外でも、肩こりが起こる原因は様々あります。

普通とはちょっと違うかも、といったことがあればすぐにお近くの治療院や病院で相談してみましょう。

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