- 立ちあがろうとしたら急にピキっと痛くなった
- もう長いこと腰は重いし、痛い
「腰痛」といっても、急性の腰痛と慢性の腰痛があります。
すぐに整形外科やマッサージ、鍼灸院などに行けたら良いのですが、なかなか時間が取れない。
そこで、自分で厄介な腰痛を少しでもなんとかしたいものですよね。
今回は、腰痛を温めた方が良いのか、冷やした方が良いのか、どちらが良いのかお伝えします。
- 急性は基本的には冷やす
- 慢性は基本的には温める
では、詳しくみていきましょう。
痛みがどんどん悪化している、足の痺れが強くなった。
このような場合は我慢せずに、すぐに医療機関を受診しましょう。
目次
温めるのか冷やすのか
温めるのか冷やすのか、どちらが良いのか考える前に、アイシングについて少しだけ紹介します。
アイシングとは、氷が入った袋などで局所を冷やす応急処置の方法です。
PEACE&LOVE処置
腰痛に限らず、急性期のものは冷やす、ということは有名ですよね。
捻挫などでアイシング(氷が入った袋などで局所を冷やす)をした経験のある方も多いと思います。
しかし、現在のケガの処置であるPEACE&LOVE処置の考えでは、アイシングはしないこととされています。
- Protection・・保護
- Elevation・・挙上
- Avoid anti-inflammatories・・抗炎症薬を避ける
- Compression・・圧迫
- Education・・教育
- Load・・負荷
- Optimism・・楽観思考
- Vascularisation・・血流を増やす
- Exercise・・運動
以前はRICEという言葉が使われていて、アイシングが含まれていたのですが現在のPEACE&LOVEの考えではアイシングは含まれていません。
おそらく、冷やすことで血流を抑制し、腫れを抑えることで自然治癒の力が弱まってしまう可能性があるからだと思います。
急性腰痛は自分が心地よいと感じる方を選ぶ
さて、PEACE&LOVEの考えでアイシングが除外されたからといって、腰痛も冷やしてはいけないのでしょうか?
ギックリ腰のような急性腰痛の場合、温めると痛みが増してしまう可能性があります。
もしかすると、温めた方が治りが早いのかもしれませんが、ますます痛くなるのは困りますよね。
ということで、自分が心地よいと感じる方を選んでください。
ちなみに、湿布はひんやりと感じますが、冷やしているわけではありません。
温めてみて痛みが増すようなら、冷やす方に切り替えましょう。
慢性的な腰痛は温める
多くの腰の痛みは、慢性化した腰痛です。
腰を触ってみて熱感がなく、重だるい痛みが続いている場合は温めましょう。
基本的に、身体は冷やすよりも温めてあげたほうが、何かと良いことが多いです。
慢性化した腰痛は太もも裏やお尻、背中といった筋肉が硬くなり症状が出ていることが多いです。
筋肉の硬さを緩めるのには、どうすれば良いのか。
そう考えると、選択肢は温める一択になるかと思います。
腰以外も温めてみましょう
腰を温める以外にも
- 腰よりも下にある仙骨というところの周辺
- おへその下
このあたりを温めると、意外と腰が楽になったりします。
腰痛だからといって、硬くなる筋肉は腰周りだけではありません。
むしろ、その周囲の筋肉の硬さによる影響が大きいのが腰痛。
腰部脊柱管狭窄症などで腰自体に原因がある場合もありますが、そうでないことがほとんどなので、腰以外を温めると腰も楽になる、なんてことが起こります。
温めるのもそうですが、マッサージにおいても、腰以外のマッサージで腰が楽になることが多々あります。
腰部脊柱管狭窄症とは
加齢、労働、あるいは背骨の病気による影響で変形した椎間板と、背骨や椎間関節から突出した骨などにより、神経が圧迫されます。
脊柱管は背骨、椎間板、関節、黄色靱帯などで囲まれた脊髄の神経が通るトンネルです。年をとると背骨が変形したり、椎間板が膨らんだり、黄色靱帯が厚くなって神経の通る脊柱管を狭くなって(狭窄)、それによって神経が圧迫を受け、神経の血流が低下して脊柱管狭窄症が発症します。
腰のマッサージは腰を悪くする?
腰が痛いので、腰をマッサージして欲しい気持ちはわかりますが、腰だけをマッサージすると逆に悪化する可能性もあります。
特に、うつ伏せでの腰のマッサージには要注意です。
うつ伏せで上から腰をグーッと押されるのは気持ちが良いものです。
しかし、うつ伏せの状態では、どちらかというと腰の骨が反っている状態で、上からの力を分散させることができません。
反り腰の場合だと、余計に反りを助長することになります。
また、全身の筋肉においても同じですが、強いマッサージはオススメできません。
そのときは楽になった気がしますが、痛みを痛みで誤魔化しているだけであって、強いマッサージにより神経や筋肉は傷つきます。
感覚も鈍くなり、さらに強いマッサージにより筋肉が硬くなる悪循環になってしまうため、強いマッサージは避けましょう。
筋肉は弱い力でも十分緩みます。
腰痛といっても腰だけが悪い場合は少ないので、全身を通してマッサージを受けることをオススメします。
コルセットはほどほどに
コルセットを長期で使っていると、筋力低下の可能性があるので注意が必要です。
本来は体幹がコルセットの役割を担っているのですが、コルセットを長期で使っていると、体幹の筋肉たちが怠けてしまいます。
普段は外して生活した方が、将来の腰のために良いでしょう。
腰に不安がありコルセットを使う場合は、何か重いものを持ったり、中腰になる機会が多い場合など、何か作業があるときだけにしましょう。
体幹の筋肉を鍛えることや、背中やお尻、太もも裏の柔軟性を高めることも重要です。
腰椎圧迫骨折などでお医者さんからコルセットの指示がある場合は、その指示に従ってください。
おわりに
今回は腰痛は温めるのか冷やすのか、という点についてみてきました。
もしもギックリ腰になったとしても、動ける範囲で動いた方が、その後の経過は良いとされています。
「腰が痛いと動けない」
確かにそうですが、そこでかばってしまうと脳がその痛みを記憶し、そのときの様々な感情と結びついて頭から離れなくなってしまう可能性もあります。
急性腰痛の場合、冷やして痛みを抑え、なるべく早く動くようにすることも推奨されています。
慢性的な腰痛も、温めたりマッサージを受けたりして、たまには自分の身体をメンテナンスしてあげてくださいね。