身体の中での水の役割

あなたは1日にどのくらいの水を飲んでいますか?

この質問をすると「考えてみたら全然飲んでいない」「コーヒーばかり飲んでいる」と言った答えを聞くことがあります。

意識しないと、水分補給ってできていない可能性があります。

水分の摂取は、お水を飲むだけではなく食べ物からも摂取できています。

しかし、食べ物だけでは当然、必要な水分量はカバーすることは難しいです。

今回は、お水が身体にとってどのような働きをするのか、コーヒーは水分補給になるのかなど、お水の正しい飲み方についてみていきたいと思います。

水の働き

身体の約60%は水分と言われています。

男性や女性、大人と子供で身体の水分量の割合は多少の変化があります。

例えば、60kgの大人の場合だと約36kgが身体の水分量となります。

また、人の血液量は体重の約1/13なので60kgの場合、約4.6kgが血液量です。

そう考えると体重60kgのうち水分と血液だけでも約40.6kgもあります。

血液の中には細胞成分が45%含まれているので正確には全部が液体ではないのですが、血液も液体だと考えてみると身体には体重の半分以上もの液体が存在しています。

このことからも、人にとって水分はなくてはならないものだとわかりますね。

食べ物が無くても3週間ほどは生きていられるかもしれませんが、4日間ほど水分を摂取できなければ恐らく、死んでしまうでしょう。

では、具体的に水は身体の中でどのような働きをしているのでしょうか。

栄養や老廃物を運ぶ

水を飲むと腸で水分が吸収され、その吸収された水は細胞1つ1つに酸素や栄養を届けるために使われます。

また、細胞で必要のなくなった老廃物を運ぶのも水です。

老廃物は最終的に腎臓に運ばれて、再利用できるものか不要なものか分けられ、不要なものは尿として排出されます。

水分が不足すると酸素や栄養が十分に細胞へ届けられなくなるばかりか、老廃物も身体の中に溜まってしまうことになります。

体内環境を一定に保つ

人の身体は寒くても暑くても体温は一定に保たれていますし、ph値も一定に保たれています。

運動をすれば、より酸素を全身に届けようと心臓はドキドキと心拍数を増やしますし、呼吸数も増えます。

人の身体は意識しなくても、勝手に一定の状態を維持する力があります。

このような体内の環境を一定に保つことを、ホメオスタシスと言います。

ホメオスタシスを正常に働かせるためには水分が必要になります。

神経や筋肉など身体が正常に動くためには電解質が必要ですし、体温を一定に保つために汗を出すためにも水分が必要です。

ホメオスタシスが崩れると身体に不具合が起きるばかりか、命の危険すらあります。

体温の維持

体温の維持もホメオスタシスの1つです。

人間は活動すると、エネルギーによって体温が上昇します。

この上昇した体温を下げるために身体は汗を出し、体温を下げようとコントロールしています。

もしも水分が足りなかったら汗をうまく出すことができず、体温がどんどん上がっていってしまいます。

熱中症なども脱水による症状の一つです。

オーバーヒート状態にならないためにも、しっかりと水分を補給しましょう。

汗を出す汗腺の衰えによって発汗機能が低下している場合でも、汗が出ないからといって水分をとらなくても良いわけではありません。

脱水になると身体はどうなるのか

身体から水分が失われていくと、その失われた水分の割合(水分損失率)に応じて様々な症状が出現します。

水分損失率 症状
1% のどが渇くなど
2% すごくのどが渇く、めまい、吐き気、食欲不振など
4% 全身の脱力感、動きが鈍くなる、精神不安定、吐き気など
6% 手足の震え、頭痛、体温上昇など
8% 呼吸困難、めまい、チアノーゼなど
10%〜18% 筋けいれん、失神、聴力損失、尿の生成停止など
20% 命の危険、死亡

引用元:スポーツと栄養 日本体育協会

たった2%失われただけでも吐き気やめまいなどの症状が出現する可能性があるんですね。

運動などによって体温が上昇すると、汗をかいたり皮膚に血液を集めたりして過剰な熱を外に逃がそうとします。

しかし、水分損失率が3%を超えたあたりから汗が出なくなってしまうため熱中症のリスクが上がります。

このように運動するときはもちろん、日頃から脱水を起こさないためにも水をこまめに飲むことは重要です。

スポーツの場合、練習した後の体重が練習前と比べて2%以上落ちている場合は水分補給が足りていなかったことになります。

冬でも脱水になる

冬の脱水は

  • ウイルスによるもの
  • 乾燥によるもの

この2つが主な原因としてあげられます。

汗をかかないことから水分が失っている感覚が薄くなるため、特に意識して水をとりたい季節です。

ウイルスによるもの

冬はノロウィルスやインフルエンザが流行る季節です。

下痢や嘔吐をすると、大量に水分と電解質が身体から失われていきます。

お腹が痛くなるからといって水分を取らないと、脱水症状が起こってしまう可能性があるので要注意です。

また、下痢や嘔吐では水分だけでなく、電解質も大量に失われていくので電解質も補給する必要があります。

発熱によっても水分は失われていきます。

このようなときは経口補水液で失われた水分と電解質を補給しましょう。

OS-1なんかを家に数本、ストックしておくといざという時に便利です。

経口補水液には電解質を補うために塩分が含まれています。そのため、毎日の水分補給のために飲んでいると塩分過多となる危険性があるため、脱水状態になったときだけ飲むようにしましょう。普段の水分補給は水で十分です。

乾燥によるもの

冬は寒いだけでなく、空気も乾燥しています。

寒いため汗はかかないのですが、皮膚と呼吸から水分は失われていきます。

汗とは違い水分が失われていっていることが実感しにくいため、気づかないうちに脱水になってしまう危険性があります。

  • 皮膚がカサつく
  • お口がネバつく
  • 身体がだるい

このような状態があると、脱水の可能性があります。

ウイルス感染をしていなくても、冬は意識して水を飲むようにしましょう。

不感蒸泄とは

人間の身体は呼吸や皮膚からも水分が失われています。

汗や尿とは違い、自分で感じることができません。

このことを、不感蒸泄と言います。

室温や体温によっても変化しますが、1日の不感蒸泄量は体重1kgあたり約15mlとされています。

例えば、体重60kgの人だと1日に約900mlは不感蒸泄によって水分が失われていることになります。

また、体温が1度上がるごとに15%ずつ不感蒸泄は増えていきます。

発熱で水分が失われるのには、不感蒸泄も関係しています。

冬は寒くて汗をかかないため不感蒸泄によって水分が失われていることに気づかず、脱水になってしまいがちなので注意が必要です。

1日に約2,400mlの水分を失っている

不感蒸泄が1日に約900ml、1日の尿量が約800ml〜約1,600mlとされているので計算すると2,400mlとなります。

「水を1日に2リットルは飲みましょう」というのは、このような理由からです。

およそ、体重30kgあたり1リットルが水分摂取量の目安となります。

厳密な水分摂取量はその人の体重、体温、運動量などによってバラつきがあります。腎機能の低下などの病気でお医者さんから水分量を管理されている人は、お医者さんの指示に従ってください。

水分補給はどのようにしたら良いか

では、水はどのようにして飲んだらいいのでしょうか。

押さえておきたいポイントとしては

  • 1日に必要な水分量は体重30kgあたり1リットル
  • 食べ物の水分量は減ってきているので、水を飲むのが大切
  • コーヒーやジュースではなく、飲むのは水が理想
  • コーヒーを常飲している人はコーヒーも水分補給になる
  • 1回に飲む量はコップ1杯が目安
  • 1時間にコップ1杯が目安
  • 起床時・食前30分前・寝る前には水を飲む
  • 喉が渇いたと感じる前に飲む

このようなことが挙げられます。

1度に大量に飲まない

お水をしっかり飲みましょう、といっても一度に大量に飲んでしまうことは良くありません。

目安は1時間にコップ1杯(200ml)です。

また、水をしっかり摂取することで血流も良くなり、筋肉がコリ固まってしまうのも多少は防ぐことができる可能性があります。

マッサージなどを受ける場合、施術前にお水を飲むことで筋肉がより緩みやすくなりますので、マッサージを受ける前にコップ1杯くらいお水を飲むことをオススメします。

コーヒーやジュースでも水分補給にはなる

コーヒーやお茶、紅茶などカフェインが入っているものでも水分は補給できます。

しかし、カフェインには利尿作用があるため尿による排出が促されてしまいます。

とはいえ、コーヒーなどカフェインが含まれるものを飲んだからといって水分不足になるかというと、ならないとされています。

日常的にカフェインを摂取している人の場合だと、利尿作用がなくなるとの研究結果もあるようです。

カフェインは適量なら身体にとって良い成分ですが、コーヒー4〜5杯くらいがちょうど良い量と言われています。

コーヒーを毎日飲んでいてカフェインに耐性ができている人にとっては水分補給になりますし、利尿作用があるといっても大量に水分が尿として排出されるわけではありません。

そのため、コーヒーでも水分補給にはなるとされていますが、それでもコーヒーを大量に飲むことはオススメできません。

コーヒーならば1日4〜5杯くらいにして、水を飲むことをオススメします。

また、ジュースでも水分は補給できますが、こちらは大量の糖質が含まれているので水分補給目当てでジュースを飲むのはやめておいた方がいいでしょう。

ポカリスエット、アクエリアスなんかも同じです。

糖質量が多いため、日常的な水分補給で飲むのは控えた方が良いでしょう。

寝起きにはしっかり水分補給

睡眠時間は人それぞれ違うのですが、睡眠中は寝ているので水分補給ができません。

しかし、睡眠中も不感蒸泄や発汗で身体から水分は失われていっています。

そのため、朝起きたらまずはコップ1杯、水分補給をしましょう。

内臓も動き出すので、朝の排泄も促されます。

食前に水を飲むと代謝が上がる

食前にお水を飲んでおくと代謝がアップするとの研究結果もあるそうです。

代謝をアップさせるためには水と酵素が重要になります。

食べ過ぎ防止のためにも、お水は飲んでおいたほうが良さそうですね。

おわりに

僕は職業柄、人に「お水を飲んでくださいね」と伝えることが多いのですが、後日確認するとついつい忘れてしまっている人が多くいます。

脱水状態で身体の中をドロドロ状態にするよりも、水をこまめに飲んで老廃物を外に出した方が快適に生活ができます。

僕はお酒が好きで結構飲んでしまうのですが、水を飲み忘れた次の日は身体がキツいです。

しかし、水をしっかり飲んでいた場合だとそのような感覚はなく、普通に起きられます。

脱水状態にならないためにも、生活をより快適にするためにも、1時間にコップ1杯くらいの水は飲みましょう。

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