女性ホルモンの働きとは

歳を重ねると、自然と女性ホルモンの分泌量は少なくなってきます。

特に更年期と呼ばれる45歳〜55歳の間は女性ホルモンが急激に減少する時期です。

では、女性ホルモンとはどのような働きをするのでしょうか。

今回は女性ホルモンの1つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の働きについてみていきましょう。

エストロゲンの働き

エストロゲンは身体に対して、様々な働きをしているホルモンです。

エストロゲンの働き

たくさんありますね。

卵胞を育てる

エストロゲンの主な役割の1つが、卵胞の発育です。

卵胞というのは卵子を包んでいる袋のようなもので、その中に卵子が1個ずつ入っています。

その卵胞を大きく成長させるのが、エストロゲンです。

また、エストロゲンは卵胞だけではなく、卵子の成熟も促します。

卵胞の発育には段階があります。

卵胞の発育

白体はその後、徐々に消えるようです。

白体は徐々に卵巣の深部に沈んでいき、数ヶ月ないし1年の経過で結局消失する。性成熟の女性では妊娠と授乳の期間を除き、排卵は毎月規則正しく起こっているから、卵巣の内部には多数の白体が見られる。

引用元:神戸大学附属図書館 人体組織学カラースライド・データベース 女の生殖器

また、原始卵胞は産まれる前から持っていて、産まれてからはその数が減っていきます。

産まれる前は数100万個あるのですが、思春期には数10万個にまで減少し、月経が始まってからは1ヶ月に約1000個ずつ減少すると言われています。

30歳代では約25000個まで減り、40歳代に入るとさらに減少していって50歳まででほぼ無くなります。

原始卵胞は、また新たに作られるわけではなかったんですね。

子宮内膜の増殖

子宮内膜とは、子宮の内側にある粘膜組織のことです。

エストロゲンの働きによって子宮内膜は厚く増殖するのですが、これは受精卵を着床しやすくするためです。

もう1つの女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)の働きによって、子宮内膜の厚みは維持されるのですが、妊娠しなかった場合はプロゲステロンの分泌が止まり、子宮内膜が剥がれて月経が起こります。

子宮内膜症というのは子宮内膜が卵巣の中や腹腔など、本来あるべきところではない場所に入り込んでしまっている病気です。

第二次性徴

第一次性徴というのは生まれてすぐわかる、生殖器の特徴です。

そして、第二次性徴は思春期に見られる、生殖器以外の男女の特徴のことを言います。

男女ともにGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌され、その指令を受けて男性ならテストステロン、女性ならエストロゲンの働きにより身体の変化が現れます。

このように、エストロゲンには女性を女性らしい身体つきに変化させる働きがあるんですね。

美しさの維持

エストロゲンにはお肌の弾力を保ったり、髪の毛の発育を促進する働きがあります。

しかし、加齢に伴いエストロゲンは変化していきます。

当然、美しさを維持するエストロゲンが減るのですから、今までとお肌の状態が変わるのも当然です。

このような見た目の変化も、更年期症状の不定愁訴の原因と言われています。

骨を丈夫にする

骨は身体を支えるだけでなく、カルシウムを貯めておく役割もあります。

カルシウムというと骨を丈夫にするような印象が強いですが、筋肉を動かしたり神経を興奮させたり、怪我をして出血したときに血を固めたりと、様々な働きがあります。

また、骨は作るのと同時に破壊も繰り返しています。

エストロゲンには骨の破壊を防ぎ、骨へのカルシウム貯蔵の働きを促進します。

更年期以降、骨が弱くなる骨粗鬆症が多くなるのはエストロゲンの減少も大きく関係しています。

悪玉コレステロールを減らす

エストロゲンには善玉コレステロール(HDL)を増やし、悪玉コレステロール(LDL)を減らす働きがあります。

  • 善玉コレステロール(HDL)・・身体の余分なコレステロールを回収する。
  • 悪玉コレステロール(LDL)・・コレステロールを全身に届ける。

悪玉コレステロール(LDL)は悪者みたいなイメージですが、悪玉も善玉も、身体にとっては必要な成分です。

しかし、悪玉コレステロール( LDL)が高くなると動脈硬化の原因になると言われているため、回収役を務める善玉コレステロール(HDL)がヒーローみたいな扱いを受けているわけです。

更年期になりコレステロール値が上がってくるのは、エストロゲンの分泌が減少するためです。

血液の流れを良くする

エストロゲンには血管を拡張させ血液の流れを良くし、動脈硬化を防ぐといった働きもあります。

女性における虚血性心疾患や脳血管障害などの動脈硬化症疾患の発症頻度は、更年期以後に増加傾向を示し、加齢とともに男性の発症頻度と同レベルまで達する。この理由として、抗動脈硬化作用を有するエストロゲンが更年期以後に低下、消失するためと考えられている。

引用元:日本生殖内分泌学会 エストロゲンと血管

このように、今まではエストロゲンによって血液の流れが良くなっていたものが、更年期以降はなくなってしまい、男性と同じリスクとなってしまいます。

いかに更年期が生活習慣を見直すタイミングか、ということが分かりますね。

精神状態の安定

エストロゲンは身体の様々なところに影響を及ぼしていますが、脳にもその影響があります。

更年期に入り、エストロゲンが減少するとカーッと暑くなったり注意散漫になったり、覚えが悪くなったり気分が優れなかったりと様々な症状が出現します。

症状の出方には個人差が大きくありますが、不定愁訴が起こるのはエストロゲンの減少が大きく影響しています。

仕事がしにくくなった、疲れやすくなったのはたるんでいるわけではなく、ホルモンが減少しているからです。

たるんでいるわけではありません。

エストロゲンの種類

エストロゲンと一括りにしてきましたが、実はエストロゲンにはたくさんの種類があります。

その中でも代表的なものがE2(エストラジオール)・E1(エストロン)・E3(エストリオール)の3種類です。

3種類のエストロゲン

E1(エストロン)

E1(エストロン)は閉経後の主要なエストロゲンと言われています。

閉経後は卵巣からではなく、脂肪細胞などから女性ホルモンであるE1(エストロン)が作られます。

「脂肪細胞からエストロゲンが作られるなら、どんどん食べて脂肪を蓄えよう」なんて考えは持たないでください。

閉経前の主要エストロゲンであるE2よりも活性が弱いですし、何より肥満は生活習慣病のリスクとなります。

E2(エストラジオール)

E2(エストラジオール)は閉経前に卵巣から分泌されるエストロゲンです。

他のエストロゲンと比べ最も活性が強ため、卵胞の発達や第二次性徴を発現させたりとパワーのある働きをします。

更年期障害の診断でも数値を確認するのがE2(エストラジオール)です。

E3(エストリオール)

E3(エストリオール)は妊娠時に胎児の副腎と胎盤から分泌されます。

活性度合いは他のエストロゲンと比べて最も弱く、胎児の状態を確認するために用いられると言われています。

おわりに

45歳〜55歳の更年期にエストロゲンはガクッと低下します。

「最近集中できない・・」

「身体がだるい・・」

それはあなたがたるんでいるのではなく、身体の変化によってもたらされた症状です。

しかし、症状の出方には個人差があり、全く症状が出ない人も存在します。

そのため、症状が重く出ている人に対し、男性からだけではなく女性からも「たるんでいる」などと言われてしまうことがあるそうです。

もしもエストロゲンの働きを知っていたら、そんな発言もなくなるかもしれません。

自分に関係していなくとも、身体のことについて知ることはハッピーな社会生活を営む上でも大切なことですね。

関連記事

PAGE TOP