自律神経の管理人にそんな負担かけちゃいけないよ

こんにちは、高橋です。

最近は書籍の紹介ブログに精を出し過ぎて、お店のブログ更新をサボっていました。

いや、でもこれも誰かにとって有益な情報になるのではと思って始めた慈善活動なんです・・

さて、言い訳はこのくらいして、今回はぼくが今どハマりしているYouTubeチャンネル「SNS医療のカタチ」より、國松淳和先生の自律神経のお話がとんでもなくわかりやすかったので、共有させていただきます。

正直いうと、動画を見ていただければサクッとわかるのですが、せっかくですのでぼくの専門分野である鍼灸やマッサージに絡めて、ご紹介できればと思います。

YouTubeでの講義はこちら

自律神経とは

「自律神経の不調による症状に〇〇整体」

「自律神経を整える〇〇方法」

ちまたでよく、このような自律神経改善ビジネスを目にしますが、そもそも自律神経とは何なのでしょうか?

ストレスとかメンタルなんかに関係する神経?

これは半分正解で半分間違いです。

勝手にいろいろやってくれる便利システム

ご存知の通り、ぼくらの体は思っている以上に勝手に動いています。

心臓を止めようと「えいっ」と気合を入れても止められないし、食べ物を消化しようと意識しなくても気づいたら消化されます。

自律神経=メンタル=見えないものというイメージが強いですが、筋肉を動かす神経と同じように実在していて、コードのようなものが自律神経です。

大雑把な画像ですが、こんなイメージです。

この自律神経が心臓を動かしたり食べた物を消化しやすいように調整したり、勝手に色々とやってくれています。

自律神経の管理人は超マルチタスク

そんな勝手にいろいろやってくれている自律神経システムを管理しているのが、脳です。

大脳だとか小脳だとか、脳もいくつかの領域に分かれていますが、特に自律神経に関与しているのが視床下部という部分。

どうやらこの視床下部、やることがたくさんあってめちゃくちゃ忙しいようです。

具体的に何をしているのかというと

  • 体温の調節
  • 血糖の調節
  • 水分の調節
  • ホルモン分泌の調節
  • 体内時計の調節
  • 食べる・飲むなどの本能行動の調節
  • 怒りや悲しみなどの情動行動の調節

マルチタスクにもほどがあります。

そんな視床下部の仕事ぶりを知ってか知らずか、ぼくらは日々、さまざまなことをしちゃってます。

ケーキを食べたり温泉に入ってみたり、恋人とケンカして怒ったり悲しんだり。

ただでさえ忙しいのに、ぼくらの日々の行動によって体は大パニックです。

視床下部はその行動に合わせて自律神経の調節をして、体がおかしくならないように一定に保たなければなりません。

しかし、視床下部は超多忙。

「これは無理、さすがに無理」と思った視床下部は自律神経に、ある程度は勝手にうまいことやってくれるよう自動モードシステムを搭載しました。

そうじゃないと仕事が追いつきません。

そんなこんな、視床下部のスーパーマルチタスクと自律神経自動モードのおかげで、ぼくらは今日もいつも通り生活ができるわけです。

これがホメオスタシスというやつですね。

ストレスとは

さて、そんな自律神経に影響を与えるのがストレスです。

仕事が忙しくてストレス、紫外線が強すぎてストレス、嫌いにアイツと席が隣になりストレス。

ストレス社会だ、なんていわれますが実はストレスはある特定の場面だけで襲いかかるものではありません。

知らないうちにかかる負担

ストレスとは環境からの有害な刺激(ストレッサー)によって心身に生じる機能的変化のことである。

こんなふうに教科書には書いてありますが、國松先生の講義では以下のように定義されていました。

無意識にのしかかる負担全般(自分で感じることのできないもの)

そう、ストレスとは知らないうちにぼくらの体に負担となって、のしかかってきます。

筋トレが体に良いといっても体にとっては負担ですし、温泉に入って「あー、気持ちよき」と思っても体にとっては負担なんです。

どちらも度を超えると体がおかしくなりますよね。

必ずしも悪者ではないのがストレスです。ストレスには良い面もありますが、やはり度を超えると良くありません。詳細は「ストレス学説」で検索。

自然に消えない

知らないうちにのしかかってくるストレス。

自然と消えてくれればいいのですが、そんなうまいこといきません。

蓄積していくことで脳にも体にも負担をかけます。

ん、ということは自律神経にも支障が出るのでは?

はい、ストレスが蓄積するとスーパーマルチタスクの超ブラックな働き方をしている視床下部にも支障がでます。

ここで先ほど紹介した視床下部の仕事内容を振り返ってみましょう。

  • 体温の調節
  • 血糖の調節
  • 水分の調節
  • ホルモン分泌の調節
  • 体内時計の調節
  • 食べる・飲むなどの本能行動の調節
  • 怒りや悲しみなどの情動行動の調節

これらの業務に支障が出ます。

つまり、冷え性だとかコリだとか、肌荒れだとか夜眠れないだとか、それはもうたくさんの症状と関係しています。

そうです、不定愁訴と呼ばれるほとんどの症状は自律神経が関係していたんです。

メンタルの問題ではない

ここまでのお話で何となくイメージができたかと思いますが、「はぁ、つらたん」というさまざまな症状はメンタルの問題ではありません。

体にのしかかるストレスが溜まりに溜まった結果、視床下部と自律神経が「はぁ、つらたん」という状態になります。

そんな「はぁ、つらたん」という声が体に現れた結果、ぼくらもコリだとか眠れないだとかを感じて「はぁ、つらたん」となります。

ちなみに「つらたん」は講義での國松先生の言葉を拝借しました。

とてもいい言葉です。

慢性痛も「はぁ、つらたん」

重だるいコリ、何となく痛いといった「痛み」だって自律神経が関係しています。

通常どこかグキッと悪くした場合、その部分だけが痛くなり大体1ヶ月くらいして痛みも引いて症状は落ち着きます。

急性痛というやつです。

これに対して慢性痛というのは、3ヶ月〜6ヶ月くらい経ってもまだ痛いという状態です。

しかも痛みだけじゃなくて、何だか眠れなかったり手足の冷えがあったりと、痛み以外の症状も少なからずあったりします。

痛いから交感神経優位になり血行不良だとかホルモンバランスが乱れたりとかの影響が出て、さらにストレス、さらに痛いという痛みの悪循環が起こります。

交感神経、そうです、自律神経です。

やはりここでも関与していたか、自律神経つらたん現象。

心因性ってなに?

よくギックリ腰は癖になるなんてことがいわれますが、あれも実は腰そのものが原因というよりも記憶による影響が関係しています。

そんな心因性の慢性痛をチェックするために、ワデル徴候という所見があるので少しご紹介します。

  • ぼんやりと全体的に痛い
  • 何かに集中させながら検査すると痛くない
  • 力が入らないといっているのに筋力は正常
  • 不安や緊張が多い

また、症状に対する不安が強いなんてこともあげられます。

これをみてどう感じましたか?

何となく自律神経が関係している匂いがプンプンしますね。

自分の症状をネットでググってみたり通勤電車でなぜか痛くなったり、〇〇しないと治らないと考えたり、さまざまなことがストレスの原因となって気づかないうちに体にのしかかってきます。

やはり原因はお前だったか、ストレス。

とにかく逃げろ

慢性痛でもストレスによる自律神経つらたん現象が関係しているとわかりました。

では、そんな自律神経に影響を与えるストレスにはどう対処していけばいいのでしょうか?

あれこれ考えず、とにかく逃げましょう。

楽観的おサボり人間がストレスフリーな理由

とにかく仕事中に無理をせず、定時にはささっと帰宅する人。

休日はアマプラでアニメなんかを1日中楽しく見ちゃう人。

ビジネス書からダメな行動パターンとしてあげられそうなタイプの人でも、実は自律神経からすると成功者の行動パターンである可能性があります。

というのも、ストレスというのは直接減らすことができないからです。

ストレスは生きていれば、のしかかってくるもの。

そして、重要なのはその量。

自律神経的に成功者の行動パターンとは、ストレスによる負担を抑える行動ができる人です。

つまり、おサボり上手な人です。

苦手なことは避ける

実は社会的成功者の中には自分の苦手分野は人にお任せして、自分のできる部分だけをどんどん伸ばしていく人がいます。

「苦手だし上手くできない、嫌だなぁ」なんて思っていることを続けてしまう人は、知らない間にストレスを溜め込んでいきます。

反対に「わたしはこれは苦手なんだ、あとは頼んだぞ」といって人にすんなり任せられる人はストレスを溜め込む量が少なく済みます。

まぁこの辺りは仕事をする上でワガママな厄介者にならない程度を見つけないといけないですが、要するにもうちょっといろんなことから逃げてもいいのではないでしょうか。

ちなみにぼくは、コミュニケーションは好きだが会話が苦手という職業柄致命的パーソナリティを持っているので、このように文章にしてお伝えしたいことを皆様に送りつけさせていただいています。

マッサージは逃げの選択肢の1つ

「1人1人オーダーメイド治療で、必ずあなたのつらい症状を治します!」

みたいな整体の広告を目にしますが、そんな風に言い切れる人間になってみたいものです。

ぼくは鍼灸やマッサージといったものは、その人が良くなるためのお手伝いだと思っています。

そう、逃げ場です。

ドラクエの宿屋、ポケモンセンター、いや、それでは全回復か・・

とにかく、ストレスそのものを軽減し症状を治すのではなく、ストレスによるダメージを軽減し症状を軽くして治るきっかけを作るのがマッサージや鍼灸といったものです。

まぁ、体性内臓反射だとかⅠb抑制、下行性疼痛抑制とか痛みの緩和や筋肉が緩むメカニズムなんかはいろいろあるんですけどね。

一応、専門用語をひけらかしておきます。

無理をせず、偏らず、いろいろやる

無理をしない大切さは重々お分かりかと思います。

そこに是非、付け加えていただきたいのが「偏らず、いろいろやる」ということ。

人間、刺激が偏るとロクなことがありません。

  • 偏った姿勢
  • 偏った行動
  • 偏った考え方

偏った同じ刺激を続けていると脳も体もサビついてきます。

ストレスの負担を分散させるという意味でも、いろいろな刺激というのは効果的です。

  • 温泉に行ってひたすら飲む
  • 好きなゲームをやる
  • 暗闇フィットネスに行ってみる

いや、別にぼくがやりたいことではありませんよ。

何でもいいので普段と違うことを定期的に取り入れて、うまいこと体を使っていきましょう。

ちなみにデスクワークの方で一番手っ取り早い普段と違う刺激は、立つことです。

拍子抜けしましたか?

でも、そんなちょっとしたことでも結構変わりますよ。

お試しください。

おわりに

自律神経についてお伝えしてきました。

結局のところストレスは回避できないので、負担を減らす行動、つまり無理をしないというのがこの記事でお伝えしたいコアの部分です。

具体的な解決方法は人それぞれ違うと思いますので書くのを避けましたが、ストレッチやマッサージで筋肉を緩めるところからアプローチしていくのも1つの手段です。

お風呂に入るのも、ゲームでファンタジーな世界にトリップするのも1つの手段です。

「最近〇〇しかしていないなー」なんて人は、好きなことをやってみてください。

ぼーっとするなんてこともオススメです。

参考

今回の記事を書くにあたって、下記の記事や本を参考にさせていただきました。

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