身体や美容に関するお悩みを調べたとき、どれが正しい情報なのかわからず、迷ったことはありませんか?
今回は、数ある健康情報の中から自分に合った、正しい情報を選択するためのヒントをご紹介します。
今はネットで検索すればなんでも教えてくれますし、SNSでも様々な情報で溢れかえっています。
その中には、利益だけを目的とした悪い情報も紛れている可能性があります。
そんな情報に騙されないためにも、すぐに情報を鵜呑みにしないよう気をつけましょう。
目次
コロナで問われるヘルスリテラシー
今でこそマシになりましたが、新型コロナウイルスが日本で流行り始めた2020年の春くらいには、本当に様々な情報が見られました。
それらの情報によって、混乱もありましたね。
トイレットペーパーが無くなるとか、納豆が効くとか、ただの風邪だとか・・・
また、ワクチンに関しては今でも賛否が分かれています。
余談になりますが、たまたまインスタで発見して面白かった話で「ワクチンを打ってから電車に乗ると変なBluetoothに繋がるようになった」なんて話を目にしました。
何なら、Wi-Fiに繋がるようになって欲しいですね。
さて、このようにコロナだけを見ても、色々な情報があります。
コロナの影響で、健康に関する情報を調べるようになった方も多いのではないでしょうか。
そこで、健康情報を調べる上で重要になるのがヘルスリテラシーです。
ヘルスリテラシーとは、健康や医療の情報を調べて理解し、その情報を選んで活用する能力のことです。
自分で調べる習慣を身につけよう
例えば「姿勢が悪いと肩こりになりやすい」という情報があったとします。
では、全ての肩こりは姿勢を良くすれば解決するのでしょうか?
答えはNOですよね。
姿勢が肩こりに関係している可能性もありますが、実は動かしていないだけとか、仕事のストレスとか、もしかすると心臓が原因、なんてことも。
このように、肩こり一つとっても様々な原因が考えられます。
そこで問われるのが、ヘルスリテラシーです。
「そうか、姿勢を良くすれば治るのか」といってその情報だけを信じてしまうと、姿勢を改善する健康グッズを買ってしまったり、骨盤矯正の回数券を買ってしまったりなんて行動をしてしまいます。
健康グッズを買うことも骨盤矯正を受けることも、完全に悪いわけではありません。
ただ、ちょっと動かせば改善してしまうのだとしたら、高いお金を払わずともYouTubeなどで体操の動画を探すだけで解決してしまいます。
そんなことを言ってしまうと、マッサージを生業としている僕としては商売上がったりなのですが、要するに調べる習慣を身につけましょうということです。
なぜ、調べることが大切なのか。
それは、健康や美容などの情報には多くの心理的な仕掛けがされているからです。
こんな広告には要注意
身体のお悩みを解決するために、何が有効なのかは人それぞれ違います。
よく、インフルエンサーが様々な健康に関する商品をPRしていますが、その商品があなたに合うかどうかはわかりません。
雑誌やインフルエンサーは、基本的にお金をもらって商品やサービスをPRしています。
また、効果を断定しているものにも注意が必要です。
- 〜に効く
- 医師が推奨
- 有名人の推奨
- ビフォーアフターなど
このような広告には要注意で、購入やサービスを受ける前に調べることをオススメします。
僕はホームページを作成したりクーポンを作ったりするため、「売り方」について勉強することがあるのですが、売れているモノやサービスを見てみると、上手にハッタリを効かせているなぁ、なんて思います。
ちょっと言い方が悪いですが、勘違いをさせる能力って、何かを売るときにはすごい大切です。
正解がないという正論よりも、偏っていても、むしろ断定してくれた方が魅力を感じますよね。
今は何を買うかよりも誰から買うか、が重視される時代です。
SNSなんかを見ると、ほとんどの人は顔を出して発言し、その人がどんな人なのかがわかるような投稿をしています。
どんな人なのかがわかり、信頼できる感じがあったとしても、断定していることに関しては自分で調べた方が良いでしょう。
僕も断定してお伝えしてしまおうかな・・とも思いますが、やはり健康に関しては断定できないものが多いので、断定しているものは疑うようにしてくださいね。
情報はアップデートされる
ちょっと前までは「ケガをしたら冷やす」という方法が主流でした。
今では、ケガの処置の項目から冷やすという項目はなくなりました。
筋肉痛は乳酸が原因と言われていましたし、卵はコレステロールが増えるから良くない、なんていう話もありました。
今では、それらが間違いだということもわかっています。
このように、情報はアップデートされていきます。
また、お医者さんなど医療関係者といえど、自分の専門分野以外だと持っている情報が古い可能性があります。
お医者さんとはいえ神さまではありませんので、わからないことはわからないのです。
お医者さんが言っていたからといって、全てが正しいわけではありません。
医師推奨と言われると信じてしまいがちですが、そのような広告を見かけても、自分で調べてから決めるようにしましょう。
身体の不調でお医者さんに診てもらったときは基本的にはその指示に従いますが、改善しなかったり気になることがあれば積極的に相談しましょう。また、そのようなときには他の医師にセカンドオピニオンを求めるのもオススメです。決してそれは悪いことではありません。
バイアスの存在を知っておく
何だか良くわからない情報でも、有名人や医師なんかが言っていると、なぜか信憑性を感じてしまいます。
しかし、これはモノを売るときの仕掛けであって、正しい情報なのかはそれだけで判断はできません。
このような仕掛けとなる、認知バイアスをいくつかご紹介します。
バーナム効果
占いに行くと「えー、当たってる」なんていうことを言われて驚いてしまいますが、あれは誰にでも当てはまりそうなことを言っているからです。
人は色々な性格の側面があるため、例えば、大雑把な人だとしても思い返せば細かい部分もあるでしょうし、怒りっぽい人でも優しい側面はあるはずです。
誰にでも当てはまるようなフワッとしたことを言われると「えー、当たってる」と思ってしまう、このようなバイアスをバーナム効果と言います。
占いは楽しいですし、ちょっとした心の支えにもなることがあるので良いのですが、占いの結果を完全に信じ切ってしまうのは危険かもしれません。
また、健康商品の広告だと、その商品を使用した人の体験談なんかが書かれていますが、あれもバーナム効果を利用したものです。
ハロー効果
見た目が良い人を見かけると「あー、仕事ができそうだな」とか「マクドナルドなんか食べないんだろうな」とか、なぜだか良い人物像が思い浮かびやすくないですか?
何か一つのことが優れていると他の部分も優れて見えてしまう、このようなことをハロー効果と言います。
確証バイアス
モデルさんなど、インフルエンサーが良いと言っているものがハロー効果を利用したものだとはわかっていても、やはり信じてしまいやすいものです。
変だなと思っても、どこか信じてしまう。
これは確証バイアスというものがあるからです。
人間は、直感的に正しいと感じる行動をした方が心地よく、自分の心地よいと感じる情報ばかりを集め、間違いだとする情報を無視してしまいます。
ハロー効果と確証バイアスは、SNSなんかをみるとわかりやすいかと思います。
反ワクチンの本で有名な某医師なんかのTwitterや口コミを覗いてみると、面白いです。
エコーチェンバー
自分が直感的に正しいと感じることを肯定するような情報ばかりを集めてしまうのが、確証バイアス。
この確証バイアスをさらに強くするのが、SNSでのエコーチェンバーです。
自分に似た意見の人をフォローすることにより、さもみんなが同じ考えを持っているかのように錯覚してしまう。
これを、エコーチェンバーと言います。
度々ワクチンを例に出してしまいますが、政府の陰謀論だとか身体に毒だとか、不安を煽るような情報を目にすると偏った情報ばかりを調べるようになり、たくさんの人がワクチンに対して懐疑的だという印象を受けますが、一歩引いてみるとワクチン反対なのはごく一部だったことがわかります。
ウィンザー効果
口コミなんかがこれです。
ある商品を売ろうとする売り手からの情報よりも、口コミなどの第三者からの情報の方が信憑性が増す、というバイアスです。
当店もたくさんの口コミをいただきまして、本当にありがとうございます。
とても嬉しいです。
でも、あと10000件くらい良い口コミが欲しいです。
さて、良い口コミは私たちお店側にとっては嬉しいのですが、お店を選ぶときに口コミだけを情報源にしてしまうのは良くありません。
口コミはある程度操作できてしまう側面もありますし、わざと悪い口コミを書く人もいます。
グーグル検索での口コミで、来てもいないのに悪い口コミを書かれた接骨院なんかもあります。
口コミだけでなく、そのお店のホームページなどで雰囲気やコンセプトなんかを調べてみて、自分に合っていそうだと感じたら利用してみましょう。
回避できないのがバイアス
これまで、心理テクニックとしても使われるバイアスについて説明してきましたが、では、お前は回避できているのかと言われると回避できていません。
お店を選ぶときには口コミを見ますし、インスタで成功していそうな投稿を見かけると自分と比較して、大いに落ち込みます。
自分の都合の良い情報をTwitterで調べることもありますし、何人かが同じような発言をしていると大多数がその意見を持っているかのように思ってしまいます。
見事に、ウィンザー効果・ハロー効果・確証バイアス・エコーチェンバーなどのバイアスに転がされていますね。
ただ、それでも一つの情報源だけを鵜呑みにしないように気をつけています。
今は便利なもので、検索するキーワードさえわかれば様々な視点からの情報が見れますし、やはり本からの情報も頼りになります。
情報をキャッチしてもすぐ鵜呑みにせず冷静に考えてみると、怪しい情報を信じてしまうことを回避しやすくなります。
情報は天秤にかける
健康や美容に関する情報はアップデートされます。
正解はこれだ、という情報が出てくれば良いのですが、残念ながら正解はありません。
では、片っ端から自分に合うかどうか試さなければいけないのでしょうか。
当然、そういうわけにはいきませんよね。
色々と調べるということも大切ですが、それと同時に自分にとってどのくらいのメリットになりそうか、天秤にかけてみることも大切です。
そのメリットになるかどうかを考えるときに役に立つのが、ヘルスリテラシーの能力です。
ヘルスリテラシーは、一つの情報源だけを鵜呑みにせずに調べてみるということを習慣化すれば、自然と高まっていく能力だと思います。
食品添加物なんかを調べると悪いことばかりが目につきますが、確証バイアスを除いて良い側面も調べてみると、そこまで怖がらなくても良いものだとわかります。
おわりに
人は、バランスの取れた情報よりも、断定的な情報に惹かれるものです。
例え、それが間違いだとしても。
これは、人間の脳が一貫性を求め、原因を発見したがり、結論を急ぐからだと言われています。
このような脳の傾向と、それに訴えかける魅力的なバイアスたちを回避することは、正直言って不可能です。
でも、抗うことはできる。
健康や美容情報は世の中に散漫しています。
その中で、より自分にとって良いものを選択するためにも、一人一人のヘルスリテラシーが大切なのではないでしょうか。
参考にした書籍など
今回は4冊の本とマイナビニュース、SNSの情報などを合わせて健康情報との関わり方を考えてみました。
ご参考になれば幸いです。