温活で増やせる!ヒートショックプロテインの効果とは

ヒートショックプロテインという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

身体には、様々な外敵(ウイルスやバイ菌など)やストレスなどから自分を守る機能が備わっています。

そんな防御機能の中の一つが、ヒートショックプロテイン(熱ショックタンパク質)です。

実は、ヒートショックプロテインは自分で増やすことが可能です。

ヒートショックプロテインを増やすメリットは、免疫能の正常化だけではありません。

  • 痛みの緩和
  • 代謝アップ
  • アンチエイジング

などなど、このような身体へのメリットがあります。

今回は、自分の身体を守る免疫システムにはどんなものがあるのか、ヒートショックプロテインはどんな働きをするのかについてみていきたいと思います。

この記事でわかること
  • 免疫の仕組み
  • ヒートショックプロテインの働き
  • ヒートショックプロテインの増やし方

少し専門的な内容もありますが、この記事を読めば「免疫力を高める」なんて言葉がいかに間違っているか、理解できるかと思います。

では、まずは自分の身体を守るシステムについて、詳しくみていきましょう。

自分の身体を守る2つの免疫システム

ウイルスやバイ菌、排気ガスなどの身体にとって良くないものは、様々なところに潜んでいます。

それでもほとんど病気にならず、なんだかんだ悩みはありますが、僕たちは平和に暮らせています。

では、なぜ身体に良くないものだらけなのに、身体は大丈夫なのでしょうか?

それは、自分の身体にとって必要なものなのか、それとも異物なのかを選別し、せっせと免疫細胞たちが対処してくれているからです。

免疫の世界では「自己」「非自己」なんて言います。

生まれつき持っている自然免疫

身体の中に異物が入ってきたとき、真っ先に駆けつけて対処してくれるのが、好中球やマクロファージといった細胞たちです。

これらの免疫細胞たちは人間の身体にもともと備わっていて、バイ菌やウイルスから身体を守ってくれています。

人が生まれつき持っている免疫、ということで「自然免疫」と呼ばれています。

身体に入ってきた異物は、免疫細胞が食べることで処理や情報伝達なんかを行います。そのような働きを「貪食(どんしょく)」と言い、貪食の働きを持った細胞のことを貪食細胞と呼びます。

自然免疫の細胞

学習する獲得免疫

自然免疫で処理できなかった異物の情報を記憶するのが「獲得免疫」です。

すべての異物を自然免疫で処理できれば良いのですが、賢い敵もいるもので、自然免疫だけでは処理できない場合があります。

しかし、ただやられるだけではないのが免疫です。

そのとき侵入してきた異物を記憶し、その対処の仕方まで学習します。

同じ敵には二度とやられないよう、免疫細胞たちは日々、頑張っているのです。

身体に入ってきた異物には目印がついています。その目印がついた異物を「抗原」と言い、抗原を除去するタンパク質を「抗体」と言います。

獲得免疫の細胞

チームワーク抜群の免疫細胞たち

では、これらの免疫細胞たちは実際に異物が侵入すると、どのように働くのでしょうか。

異物が入ったときのルーティーン
  1. 異物が身体の中に入る
  2. 好中球やマクロファージなどが異物を食べる
  3. 樹状細胞がリンパ節に行き、ヘルパーT細胞に情報をお届けする
  4. 情報をキャッチしたヘルパーT細胞が、B細胞に抗体を作らせる
  5. B細胞が成熟して形質細胞になり、異物を攻撃する
  6. 戦いに敗れた細胞をNK細胞やキラーT細胞が処理する
  7. ひたすら戦う
  8. 異物がいなくなると、制御T細胞が終了の合図を出す
  9. メモリーB細胞が戦いの記録をし、次の戦いに備える

たくさん細胞の名前が出てきて、混乱しちゃいますね。

しかし、これだけたくさんの免疫細胞たちが見事なチームワークで異物と戦い、身体を守ってくれています。

どれか一つが欠けてもダメで、どれか一つが頑張りすぎてもダメ。

免疫細胞全体が弱くてもダメだし、強すぎても過剰反応となり、ダメ。

非常に良いバランスで機能してくれています。

よく「免疫力を高める」という言葉を見かけますが、免疫システムを知ると曖昧な言葉だということが分かりますね。ニュアンスはなんとなく分かりますが・・

ストレスでバランスが崩れる免疫システム

免疫細胞たちにはどんなときでも、最高のチームワークで働き続けて欲しいものですが、やはりバランスが崩れるときもあります。

その原因となるのが、ストレスです。

ストレスとは反応のこと。
その反応の原因となる外部からの刺激をストレッサー、ストレッサーに適応しようとして起こる身体の反応をストレス反応と言います。
ストレッサーには気温や音などの物理的ストレッサー、排気ガスや薬などの科学的ストレッサー、人間関係などの心理的ストレッサーなどがあります。

自律神経と免疫細胞の関係

自律神経には、交感神経と副交感神経があります。

活動時には交感神経が優位になり、リラックスしているときには副交感神経が優位になります。

現代はストレス過多から、副交感神経を優位にさせることに重点を置いていますが、自律神経もバランスが大切です。

つまり、どちらかが優位になりすぎても、不調が起こる可能性があるということ。

実は免疫細胞も、自律神経の影響を受けています。

交感神経優位のときには顆粒球(好中球・好酸球・好塩基球)の比率が上がり、副交感神経優位のときにはリンパ球(T細胞・B細胞・NK細胞)の比率が上がると言われているからです。

では、顆粒球とリンパ球のバランスが崩れるとどうなるのでしょうか。

顆粒球は貪食をするとき、活性酸素を発生させます。

顆粒球は、貪食をするときに発生させた活性酸素を利用して異物を攻撃するのですが、交感神経が優位の状態が続き、活性酸素が増えすぎてしまうと健康な細胞にまで影響を及ぼしてしまいます。

その結果、胃潰瘍やガンなど、病気を引き起こすリスクが高くなります。

また、リンパ球の働きも抑制してしまうため、ウイルスに感染しやすくなるとも言われています。

では、副交感神経が優位な状態が続けば良いのでしょうか?

そういうわけでもなく、副交感神経が優位な状態が続くと、アレルギーや喘息を引き起こす可能性が高くなると言われています。

交感神経、副交感神経ともにバランスよく働いてくれるのが一番ということです。

ヒートショックプロテインの働き

ここからは、ヒートショックプロテインの働きについて説明していきます。

交感神経と副交感神経がバランスをとってくれると良いのですが、現代はストレス社会です。

仕事をしているとやはり、交感神経が優位になってしまいます。

  • 在宅ワークで、時間の際限なく仕事ができてしまう
  • 仕事はパソコン、休憩中はスマホ、一日中モニターを見る生活
  • SNSによるストレス
  • 人間関係のストレス

物理的にも精神的にも、ストレスで溢れていますね。

これでは、交感神経が優位な状態が続くのも納得です。

そこでうまく活用していきたいのが、ヒートショックプロテインです。

なぜ、熱を加えるとヒートショックプロテインが増えるのか

ストレスに適応する力のことを「アダプティブサイトプロテクション」と言います。

アダプティブサイトプロテクションというのは、弱いストレスがかかり続けると、それ以上の強いストレスがかかったときに対処できるようになる適応力のこと。

その、適応力と関係しているのが、ヒートショックプロテインだと言われています。

ヒートショックプロテインは、もともと人間に備わっている、自己回復の役割を持ったタンパク質です。

特に、身体に熱ストレスを与えたとき、ヒートショックプロテインは発生します。

つまり、人間のストレスに対する適応力が、ヒートショックプロテインを増やす要因となっています。

タンパク修復を助ける

ヒートショックプロテインは、身体に熱ストレスを加えることで増える、タンパク質のこと。

サプリメントなどで補うものではなく、もともと身体に備わっている自己回復機能の一つです。

交感神経が優位な状態が続き活性酸素が増えてしまうと、健康な細胞にまで影響が及んでしまいます。

増えすぎた活性酸素の影響により細胞のタンパク質は傷つき、異常タンパク質となって病気のリスクになります。

そんな異常タンパク質を修復し、分解してくれるのがヒートショックプロテインです。

また、ケガなどでタンパク質がたくさん必要なときにも、ヒートショックプロテインは活躍します。

ヒートショックプロテインには、傷の修復を早める働きもあることがわかっています。

血が固まる前に温めると、血流がよくなって逆に傷の治りが遅くなってしまうので、注意が必要です。

タンパク質の合成と分解を助ける

身体は、タンパク質でできています。

タンパク質はアミノ酸が鎖のように繋がっていて、その鎖が折りたたまれてできています。

ヒートショックプロテインは、細胞内でタンパク質の合成(折りたたみ)を助ける働きがあります。

また、それだけでなく、新しくできたタンパク質を目的の場所へと移動させる手助けもしています。

さらに、いらなくなった古いタンパク質を分解しやすいように、アミノ酸の鎖の折りたたみを解くのもヒートショックプロテインの役割です。

まとめ
  • タンパク質の合成を助ける
  • タンパク質の移動を助ける
  • タンパク質の分解を助ける

 

身体にとって重要なタンパク質に対して、様々な手助けをしているのがヒートショックプロテインだったんですね。

アミノ酸の鎖の折りたたみのことを「フォールディング」、タンパク質の合成と分解を補佐する作用を「分子シャペロン作用」なんて言います。

細胞の寿命をコントロールする

いくらヒートショックプロテインがタンパク質を修復してくれるからといって、細胞は一生同じというわけにはいきません。

細胞も、いつかは死にます。

細胞の死に方は大きく分けて、アポトーシスとネクローシスというものがあります。

アポトーシスとネクローシス

ヒートショックプロテインは細胞の修復を補佐していますが、損傷がひどい場合はアポトーシスへと導きます。

ネクローシスと違い、周囲の細胞に影響を与えないので、炎症反応が起きず身体に不具合が生じるリスクも少なく済みます。

このように、ヒートショックプロテインは細胞を、理想の死に方へと導く役割もあります。

加温による細胞の死に方は、アポトーシスだと言われています。

免疫とヒートショックプロテインの違い

免疫もヒートショックプロテインも、身体を守る働きがあります。

では、その違いは何なのでしょうか?

異物を攻撃するのが免疫

免疫は、侵入した異物を攻撃し、排除するシステムのことです。

身体に侵入してきた異物に対して対処法を作成(抗体)し、その異物に対して永久的に効果が持続されます。

何か、免疫に異常が起こる病気でない限りは、自動で働き続けてくれるありがたい存在です。

免疫を助けるのがヒートショックプロテイン

免疫と違い、異物に直接攻撃をするわけではないけれど、どんなものにでも力を発揮するのがヒートショックプロテインです。

ヒートショックプロテインは免疫細胞を活性化させたり細胞を修復させたり、間接的に免疫に関与しています。

また、熱ストレスにより増加したヒートショックプロテインには期限があることも、免疫との違いです。

ヒートショックプロテインは熱ストレスが身体に加わってから2日後がピークで、1〜4日ほどは有効的に働き、7日後には元に戻るという特徴があります。

自動で働いてくれている免疫と違い、ある程度、自分でコントロールできるのがヒートショックプロテイン。

上手に活用していきたいものですね。

熱を加えると起こる、身体に嬉しい8つのこと

細胞が熱ストレスを感じるレベルまで身体を加温すると、様々な効果が期待できます。

身体に嬉しい8つのこと
  • 生体防御作用
  • ガン細胞や細菌を抑える力が強くなる
  • 血流が良くなる
  • 運動能力の向上
  • 代謝が活発になり、脂肪燃焼を促す
  • 汗腺が刺激され、汗をかきやすくなる
  • 痛みの緩和
  • アンチエイジング

このようなことが挙げられます。

何度くらいが効果的なのか

ヒートショックプロテインを増やすためには、熱ストレスが効果的だとお話しました。

その熱ストレスは何度くらいなのかというと、細胞が熱いと感じるレベルです。

具体的には37度からおよそ3〜5度の温度差があると、細胞がストレスと感じるようです。

毎日身体を温めると慣れてしまう

様々な嬉しい効果があるヒートショックプロテイン。

なるべく多い状態に保っておきたいものですよね。

では、毎日、身体を温めておけば良いのでしょうか?

答えは、NOです。

なぜなら、身体はストレスに適応すると慣れが生じるからです。

ヒートショックプロテインの効果は加温して2日後がピークで、4日後くらいまでは有効的に働くとされています。

しかしどうやら、7日経つと元に戻るそうです。

ということは、週に2回ほど身体を温めてあげると、効率的にヒートショックプロテインの恩恵を受けることができます。

週2回の入浴でヒートショックプロテインを増やし、2〜3週間に一度、温熱整体で筋肉を緩めてあげると疲れにくい身体を保つことができるのでオススメです。

おわりに

今回は免疫の話からヒートショックプロテインの働きまで、難しい内容が続いてしまいました。

改めて色々と調べましたが、人間の身体は本当にうまくできています。

健康増進のためにサプリメントを活用したり運動することも大切ですが、ヒートショックプロテインも同じように上手に活用していきたいですね。

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