針通電のリラックス効果について

たぶん聞いたことはあるであろう鍼灸という施術方法。

当店でもカウンセリングをして、鍼灸をした方が反応が良さそうだと判断したら提案させていただいていますby高橋

鍼灸で使う針って太いの?痛くないの?

そのようなことについてはこちらの記事を参考になさってください。

さて、そんな鍼灸ですが「どんな効果があるのか?」なんて質問をいただくことがあります。

鍼灸の効果について調べてみるとあれやこれやと出てくるのですが、今回はその中でも針通電のリラックス効果についてみていこうと思います。

針通電のリラックス効果

リラックスとは緊張をほぐしたり体が楽になるといった意味の言葉。

「心地よい」と感じたとき、脳からβエンドルフィンやセロトニンといった神経伝達物質が分泌されます。

実はこれらの神経伝達物質、針でも分泌を促すことが可能です。

神経伝達物質の誘発

慢性化した腰痛や肩こりなどの症状の中でも、特に天気によって症状が悪化したり、仕事が立て込んでくるとつらさが増してきたりするものには過剰となった交感神経を落ちつかせることが重要です。

交感神経を落ちつかせるためにもβエンドルフィンなどの神経伝達物質は分泌させたいところ。

そこで活躍するのが針通電という施術方法です。

針通電は体に針をし、そこにクリップをつけ電気を流します。

言葉にすると怖いイメージがわいてしまいますが、ほんのりピクピクする程度の微弱電流なので、むしろ気持ちがいいくらいです。

そう、気持ちがいい。

その感覚、βエンドルフィンなどの神経伝達物質が分泌されている証拠なのかもしれませんね。

ペンフィールドのホムンクルス

脳の神経伝達物質だから頭に針をしてもいいのですが、実は手とか足に針通電をした方が効果的だといわれています。

脳の小人(ペンフィールドのホムンクルス)というのを聞いたことがあるでしょうか。

手と唇が異様に大きい、あの可愛らしい小人です。

これは体に対する脳の対応領域を表しているのですが、感覚を知覚する感覚野は手足の領域が大きく、そのため手足に針をした方が活性化しやすいとされています。

周波数によって誘発される神経伝達物質が異なる点も、針通電のおもしろいところです。

頭部への針で自律神経を整える

手足への針通電でも神経伝達物質の誘発によりリラックス効果や鎮痛効果がありますが、頭部への針もストレスに対して良い影響をもたらす可能性があります。

その影響に関与する神経伝達物質がオレキシンというもの。

もともとは食欲を促す物質として発見されたのですが、睡眠や鎮痛、ストレス反応などたくさんの自律神経の調節に関与しているといわれています。

そんなオレキシンの分泌をうまく調節するのが、頭部(百会というツボ)への針です。

ラットでの研究になりますが、百会への円皮鍼(とても短い針がついたテープ)でオレキシンの分泌が調節され、ストレス反応を抑制したという結果があります。

円皮鍼は通常の針よりも刺激が少ないため、少ない刺激の針でも抗ストレスに効果があることがわかります。

鍼灸はうつにも効果がある可能性もあり、自律神経の不調に対しては良い効果をもたらす可能性が高いかと思います。

また、側頭部や前頭部への針通電により頭部の筋肉も緩めることで首や肩のこりにも良い影響をもたらします。

おわりに

マッサージと違い体に針をするので、ほんの少しチクッとしたりズーンと響いたり、独特の感覚があります。

ただ、針をして通電をスタートさせてから数分たつと、不思議と体の力が抜けていく体感があります。

マッサージに行くと「力を抜いてください」とよく言われたり気分が落ち込みやすかったり、なんだかぼんやりとする不調を感じたときにお試しいただきたい施術方法です。

参考文献

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