ある動作をするときに筋肉は単体で働いているわけではなく、様々な筋肉が働いてその動作を行なっています。
マッサージを受けに行ったときに腰がつらいのに腰のマッサージはほどほどに、お尻やハムストリングス、お腹なんかにアプローチされた経験はありませんか?
実はそれは、腰のつらさが出ている原因は腰ではなく、他のところの筋肉の過緊張・アンバランスが原因となってつらい症状が起こっている可能性があるからです。
で、なぜそんなことが起こるかというと姿勢を保持するにせよ動作をするにせよ筋肉は単体では動かないからです。
動作においての筋肉の役割
ある動作をするとき、筋肉には部位によって4つの役割が割り当てられます。
- 主動筋
- 拮抗筋
- 固定筋
- 共働筋
主動筋というのはその名の通り、動作の主力となる筋肉です。例えば力こぶを作る動作をするとき、主動筋となるのは上腕二頭筋となります。
拮抗筋は主動筋とは反対の働き(緩む)をする筋肉です。上腕二頭筋が主動筋の場合、その反対の上腕三頭筋なんかが拮抗筋となります。
固定筋は動作を安定させるように働く筋肉です。力こぶを作る動作のときに硬くなっているのは上腕二頭筋だけではないはずです。
共働筋は主動筋の補助です。上腕二頭筋が主動筋なら上腕筋とか回外筋とかでしょうか。補助している筋肉たちです。
緩めるだけでなく鍛えることも必要
というように1つの単純動作だとしても様々な筋肉が働いているわけです。
つらいところだけを緩めてもすぐに元に戻るのは様々な筋肉が関係しているからだったんですね。
さらにいうと、緩めるところは緩めて、鍛えるところは鍛えるということをしていくと疲れが出にくい身体になっていきます。
ただ、仕事上同じ姿勢にならざるを得ないなどの環境要因や、1回痛みが起こったためにそれを記憶して、あたかも痛いかのように錯覚してしまっている痛みの記憶の要因、心理的な要因などなどコリ1つとってもたくさんの原因が考えられます。
人間の身体はうまくできているのと同時に複雑ですよね。
マッサージを受けるときはつらいところだけをグリグリやられたいですが、実は全体的にバランスを見てやってもらったほうがスッキリするので全身やってもらうのがオススメですよ。